「私がくさいからだ」体臭に30年苦しんだ女性──“本当は臭くない”自臭症と、誰にも言えない悩みを話せる場所まとめ

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体臭の悩みは、なかなか人に打ち明けられないものです。「自分は周りに不快な思いをさせているのでは」「すれ違った人が、鼻を手で覆った気がする」——そんな不安を、誰にも相談できないまま何年も一人で抱え込んではいないでしょうか。先日、体臭に30年以上苦しんだ女性が開いた「におい悩みカフェ」を紹介するニュースが、短い時間で多くの共感を集めました。その背景には、同じ悩みを抱えながらも声を上げられずにいる人がとても多い、という現実があります。この記事では、①体臭に悩み続けた女性とそのカフェの話/②実は“本当は臭くない”のに思い込んでしまう「自臭症」という状態/③同じ悩みの人とつながれる相談先や居場所を、できるだけやさしくまとめました。読み終えるころには、きっと少し心が軽くなるはずです。あなたは、決して一人ではありません。
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「私がくさいからだ」──体臭に30年苦しんだ女性が開いた「ゆあのあ」

ニュースで紹介されたのは、自身も思春期から30年以上ワキガに悩んできた女性・中道亜希子さん(51)です。中学生のころに自分のにおいに気づき、高校生で手術を受けても「自分は臭い」という思いが消えず、トイレでわきを洗ったり、レモン汁を体に塗ったりして過ごしてきたといいます。

転機は47歳のとき。同じ悩みを持つ人たちのオフ会に参加したことで、長年の思い込みから少しずつ解放されていきました。その経験から中道さんが開いたのが、においの悩みを気軽に話せる「におい悩みカフェ」です。

🍃 におい悩みカフェ「ゆあのあ」とは
東京・東久留米にある「森の隠れ家カフェ ゆあのあ」。店名は You are not alone(あなたは一人じゃない) の頭文字から名づけられました。ふだんはカフェとして営業しつつ、月に数回「におい悩みカフェ」として、体臭・口臭・多汗症などに悩む人が、ふだん話しづらい“におい”の話を打ち明けられる場になっています(予約制)。

興味深いのは、来店する人の多くが実際には強いにおいを発していないのに、「自分は臭い」と思い込んで苦しんでいるという点です。ここに、次に紹介する「自臭症」という問題が深く関わっています。

実は“本当は臭くない”人が多い──「自臭症(自己臭恐怖)」とは

自臭症(じしゅうしょう)とは、原因となる病気がない、あるいは周囲が気にするほどのにおいがないにもかかわらず、「自分は人を不快にさせるにおいを出している」と思い込んでしまう状態のことです。自己臭恐怖症・嗅覚関連づけ障害などとも呼ばれます。

過去ににおいを指摘された経験などがきっかけになり、自分のにおいを過剰に気にするあまり、実際には臭っていないのに「におう気がする」と感じてしまう——。思春期に多く、無臭をよしとする清潔意識の高い社会も背景にあると指摘されています。深刻になると、人と会うのがこわくなり、学校や職場に行きづらくなることもあります。

💡 “確かめてから悩む”という考え方
「自分は臭いのでは」と不安なときは、まず口臭チェッカーや市販の体臭検査キットなどで客観的に確かめてみるのもひとつの方法です。数値で見えると安心につながることがあります。それでも不安が強く、生活に支障が出るほどなら、一人で抱えず心療内科や精神科などの専門機関に相談してみてください。
※この記事は一般的な情報の紹介であり、診断や治療を目的とするものではありません。

なぜ一人で抱え込む?「におい=悪」という無臭化社会

近年は「無臭であることが良いこと」とする清潔志向が強まり、制汗・消臭グッズもあふれています。「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉が広まったことで、においに敏感になり、自分のにおいに過剰な不安を抱く人も増えました。マスク生活が長く続いた影響で、においに敏感になったという声もあります。

そして何より、においの悩みは恥ずかしくて人に相談しづらいテーマです。家族にも友人にも言えず、検索だけを繰り返して一人で抱え込んでしまう——。それが、悩みをいっそう深く、孤立したものにしてしまうのです。

【体験談】高校2年からワキガに悩んだ私の話

ここからは、このブログを書いている私自身(ミタテ)の体験です。専門的な医療アドバイスではなく、においに悩んだひとりの当事者の記録として読んでいただけたらと思います。

Q. 「自分はワキガかも」と気づいたのはいつですか?

じつは、においそのものは特別なものではありませんでした。周りにも同じ症状の人が何人かいて、においを知ってはいたんです。でも、その“におい”が自分自身から出ていると気づいたときは、やっぱりショックでした。決定的だったのは、白いシャツの脇の部分がはっきり変色してしまったとき。「ああ、これはもう間違いない」と自覚しました。

Q. いちばんつらかったことは?

とにかく、人との距離が近づくのが嫌でたまりませんでした。集会や部活動、異性がいる場所――そういう場面がことごとく苦痛で。誰かと目が合ったときに笑われたり、口元を隠されたりすると(いま思えば“そう見えただけ”かもしれませんが)、心がえぐられるようでした。当時は知識がなくて対策のしようもなく、打ち明けられる相手もいませんでした。

この「相手の何気ないしぐさを“自分のにおいのせい”だと深読みしてしまう感覚」は、記事の前半でふれた自臭症の苦しさとも重なる部分があると、いまになって思います。

Q. そこから、今の状態までどうやって来たのですか?

大きく変わったのは社会人になってからです。自分でケアの方法をきちんと調べ、食事などの生活習慣を見直し、運動の習慣を持つようにしました。すると、以前と比べてにおいを自覚することが本当に減っていったんです。そしてそれが精神的なストレスをやわらげ、緊張すると汗をかいてしまう“精神性の発汗”まで減っていった気がします。気持ちとにおいは、自分が思っていた以上に深くつながっていたのだと思います。

Q. 同じ悩みを抱える人へ、伝えたいことは?

正直、偉そうに言えることはありません。ただ、あのころの自分にひとつだけ声をかけられるなら――「一人で抱え込まなくていい」。正しい知識にたどり着くだけで、できることは確実にあります。当時の自分には、それを教えてくれる場所も人もいませんでしたから。

※これはあくまで個人の体験です。症状や効果には個人差があり、気になる場合は皮膚科・心療内科などの専門機関にご相談ください。

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同じ悩みの人の約4割が「仲間とつながりたい」──ピアサポートの力

東北大学のピアサポートに関する取り組みでは、においに悩む当事者の約4割が「同じ悩みを持つ仲間との交流を求めている」と報告されています。同じ経験をした人どうしが本音で話せる場は、「悩んでいるのは自分だけじゃなかった」という安心につながり、一人では気づけなかった新しい視点をもたらしてくれます。

「ゆあのあ」のような居場所が多くの共感を集めたのも、まさにこの「一人じゃない」と思える場を、たくさんの人が求めていたからにほかなりません。

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誰にも言えない悩みを話せる場所・相談先まとめ

「どこに相談すればいいのか分からない」という人のために、においの悩みを話せる場所・相談先を整理しました。自分に合いそうなところから、無理のない一歩を踏み出してみてください。

🍃 におい悩みカフェ「ゆあのあ」(東京・東久留米/予約制)
同じ悩みの人と、顔を合わせて直接話せる数少ない居場所。「話を聞いてもらえた」だけで楽になる人も多いといいます。

💬 SNS・X上の当事者コミュニティ
X(旧Twitter)には #ワキガ #自臭症 などで、においの悩みを匿名でつぶやく当事者がたくさんいます。顔も名前も出さず、同じ気持ちの人とつながれます。

🤝 自助グループ・セルフヘルプグループ
各地の市民活動センターなどが当事者の集まりを紹介しています。SNSで「(悩み名) 当事者会」と検索して探す方法もあります。

🔬 オンライン相談・郵送の体臭検査
誰にも会わずに客観的なデータで確かめたい人向け。「思い込みかどうか」を知る手がかりになります。

🏥 医療機関の選び方
・においの原因がはっきりしない/不安が強い → 心療内科・精神科
・ワキガ・多汗症 → 皮膚科・形成外科・美容外科
・口臭が気になる → 歯科

気になって生活に支障が出ているなら、それは「気のせい」で片づけてよいものではありません。一人で抱え込まず、信頼できる場所や専門家を頼ることが、回復への何よりの近道です。

まとめ:あなたは一人じゃない

体臭の悩みは、人に言えないぶん、一人で抱え込むほど大きく見えてしまいます。けれど――

  • 実際には“本当は臭くない”のに思い込んでしまう自臭症のケースは少なくない
  • 同じ悩みの人の約4割が「仲間とつながりたい」と感じている
  • カフェ・SNS・自助グループ・医療機関など、話せる場所は確かに存在する

「ゆあのあ」という店名がそうであるように――You are not alone(あなたは一人じゃない)。この記事が、一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

【参考】東北大学基金・においの悩みのピアサポートに関する取り組みMSDマニュアル・嗅覚関連づけ障害

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